『History』新装版 制作中☆

自宅でテスト出力した新表紙と、取り寄せた遊び紙を検討中。口絵に乗せて「思い出をベール越しに見る」ような感じを出したくて、透けるシープスキンを2種買ってみました。ポトスの鉢は写真の彩り。ふだんなら用紙をいじっているときに机上に水物などご法度!です!(笑)
自宅でテスト出力した新表紙と、取り寄せた遊び紙を検討中。口絵に乗せて「思い出をベール越しに見る」ような感じを出したくて、透けるシープスキンを2種買ってみました。ポトスの鉢は写真の彩り。ふだんなら用紙をいじっているときに机上に水物などご法度!です!(笑)

ミニギャラリー入りになります☆

 

コミケ準備たけなわです! 今回はイアンシリーズの2冊目『History:低体温男子イアン・ワージングのハロウィーン』を新装版にするので、その作業をしています。

 

10月のJ庭まではお試し配布仕様で、表紙もペラッペラのコピー用紙。それでも無料配布の気安さで初見の方々が連れ帰ってくださり、シリーズに新たなご縁をたくさんいただきました。ありがとうございます。でも正直、耐久性もへったくれもない仕様には違いありません。

 

無料配布していたとはいえ正式スピンオフですし、kindle版ではレビューもいただけたので(心の支えです。他も大募集中です。ぜひご感想をお聞かせください!)、紙版もちゃんとした仕様にしたいとずっと思っていました。

 

そして今後は有料版に移行することもあり、アイテムとしても価値を持たせたいと思いました。というのは、ときどき読ませていただいてるTwitterのアカウントさんで、紙書籍と電子書籍の住み分けとして、紙はアイテムとして「所有する」部分の価値が重視されるようになるという考察があって、大いにうなずけたからです。(読者としての自分の心理とも合います!)

 

自分の本でそういう要素がどの程度あるかは謎ですが、薄い本ながら誌面の組み方や装丁に力を入れ、自分がほしいと思うような「プラスアルファのあるきれいな本」にしたいとガンバッテおります。予算が限られてますが、工夫を考えるのは楽しいです❤

 

表紙は写真のように(これは自宅のテスト出力ですが)これまでの紙版とは変わり、kindle版の表紙をベースに、色味など手を加えて夜景のキラキラ感と大人のしっとり感を両方増した感じ(わがまま)を狙いました。

 

で、プラスアルファなんですが……このお話はイアンと元彼の思い出が現在と交錯する物語なので、元彼がらみの過去絵を新たに仕上げなおし、ササヤカですがミニギャラリーとしてカラーで収録することにしました。いずれもJ庭の企画「帰っちゃうの?ポスター」のおかげでできた絵です。

 

 

お話のほうはこれで完成しているものなので、書き足しはしません。(エンドレスな改稿という意味ならいくらでもできそうですが、そーいうことを始めるとただでさえ遅れている新作がまた遠のいてしまいますので(笑))

(2019/12/21追記:…とか言いつつ改稿してしまいました。すみません、改訂新版になります。よかったらぜひ!)

 

というわけで、新たに書くのはミニギャラリーの解説と新装版バージョンのあとがき…くらいの予定ですが、全体として「イアンとジュリアン」の歴史(ヒストリー)を振り返る一冊になると思います。イアンシリーズで今出ている3作のなかでは、一番「BLっぽさ」(拙サークルの範囲でですが)を意識した本なので、そんな雰囲気もちょっぴり出せたらいいな、と思います。

 

 

印刷所探しで知恵熱

 

自家生産のプリンタ本はたいていのことができるし好きなんですが、制約もあります。たとえば製本できるページ数や、インクの多い絵でタチキリをすると印刷で失敗する確率が上がってしまうこと。なので、今回やりたいデザインを生かすため、印刷所さんにお願いすることにしました。そしたら……少部数・少ページのうえ口絵やイラストでカラーページが入るため、オンデマンドでも割高で、当初想定していた販売価格を印刷費だけで軽く超えてしまいました。これは参った!(^^;)

 

印刷所さんの料金と仕様(お手頃価格だと口絵/カラー本文の枚数に制限があったりするんですね)のバランスを見ながら、現実的なところを洗い出すだけでかなりの日数がかかってしまいました。そのうえ、入稿する先が決まらないと原稿のテンプレートも決められない……!(焦) 基本「持ち出し価格でオッケー」という活動ではまったくないので、それなりに必死です。コストと出来栄えのバランス。あんまりしょぼいものにもしたくないですし……。

 

で、最終的にカラーページはどーしてもあきらめたくなかったので、表紙とカラーページの印刷だけお願いして、モノクロページと製本はDIYすることにしました。平綴じの自家製本の場合はそろそろしんどくなってきて、前回のJ庭で出したネガティヴ・ケイパビリティ新装版からは完全に印刷所さんにお任せしたのですが、中綴じならまだうちでもできるので……。これならなんとか、想定していた価格に抑えられそうです。コストを抑える分働けばいいのです!(笑) 用紙は厚くなるので、決意も新たにこれまでより厚いものが綴じられる中綴じホチキスを買いました☆

 

現在はカラーイラストページの版下調整作業中。表紙はもう入稿済で、仕上がりを待っているところです。仕上がりはどうなりますことやら……(ドキドキ)。

 

 

デジタル制作の切なさ…

 

それにしても……いやー、印刷所にお願いするってこんなに大変なことだったのか! いつもやっている方々に頭が下がります。同人誌活動はコミケが晴海の頃からしているのですが、オフセット本の経験は片手で足る程度しかなくて、その時も色を気にしたのは表紙と口絵だけ。今回は初めてカラーページが多めの入稿なので、色調整で気が狂いそうです。調整できるとわかるとキリがなくて。

 

自宅のプリンターで作る場合は、実際の仕上がり具合を見ながら微調整できるんですが、印刷所の場合は……当たり前ですが入稿してしまえばそれでおしまい。もう緊張と知恵熱の連続です。Photoshopは5からイラスト制作に使っているんですが、CMYK化の調整やら紙の種類とインク量のバランスやら、慣れないことがてんこ盛り。作業よりネットで調べものをしている時間が長いです! これ消耗します! ほんとに!

 

…でも、これまでもフォトショで絵を仕上げると、「淡い色にしようとすると水で洗ったみたいに褪せてしまう」とか、逆に「意識しなかったところがギラギラ主張しすぎてしまう」とか悩みはあったのです。その対処法を今回少しずつ学んでいるので、今の苦労が今後に役立つものと信じます。

 

…でも……システムが新しくなれば、きっとそんなこと自動で調整してくれるようになるんでしょうね。アナログの手仕事が「一度技術を身に着ければ一生の財産」になるのとは対照的です。つまり、一つの環境に熟達してそれがずっと使える、ということがない。速いペースで環境が変わり、新しいものを覚え直さなきゃならない。こういうところがデジタルの切ないところ。今必死に開拓している情報がすぐに無用になると思うと……。

 

現に、この前『ネガティヴ・ケイパビリティ…』を刷っていただいたところはRGB入稿をなるべく忠実に再現してくれるというオプションがありました。もちろん追加料金は必要で、今回はコストがかなりシビアなためそこを自分でやってるわけだから、まあぼやいても仕方ないんですけど。(^^;)頭の体操にはなりますし、今からボケ防止に気を配るのもいいかも?(最近固有名詞が出てこないことがほんっとに多くなって笑い事じゃないんだなこれが!)

 

*       *       *

 

…というわけで、10月のJ庭で初売りした新装版『ネガティヴ・ケイパビリティ…』と復刊『追憶のシャーロック・ホームズ』、そしてこの『History…』と、冬コミは印刷所さんに頼んだ本が少なくとも3種類になる予定です。うちにとっては前代未聞です(笑)。

 

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…そうか、いつものコピー誌だと追い込みがイベント直前になるですけど、印刷所入稿だと追い込み時期がずれるんですね。これもちょっと新鮮な感覚……(笑)