GW終了と「人類目線」な本と

GWに読もうと思っていたジェームズ・ラヴロックの『ノヴァセン』。葉っぱは今日の突風で折れた鉢植えのツルニチニチソウです。発見時はぐったりしてましたが、水に差したらよみがえってくれました☆
GWに読もうと思っていたジェームズ・ラヴロックの『ノヴァセン』。葉っぱは今日の突風で折れた鉢植えのツルニチニチソウです。発見時はぐったりしてましたが、水に差したらよみがえってくれました☆

外出自粛のGWが昨日で終了。ですが時間をもて余すどころか、急遽参加したエア/ウェブのイベントが以下の三つもあり、フツーより慌ただしい連休でした!

 

エアコミケ(5/2~5)→開催前日に誰でも参加できると知る。(ウェブカタログ連動と聞いてたので当選サークルさんだけのものかと思ってました!)本のジャンルがすべて一日目だったため、5/2は本の紹介ツイートを作りながらほぼPC張り付き状態でした。

 

#エアブー超GWスペシャル(5/5~11)→赤ブーブーさんのイベントでご案内をいただいて気になってたんですが、申し込めたのは締め切りギリギやはり初日の5/5はツイートを作りながらほぼPC張り付き状態。

 

BL×kindleオンリーWEB即売会(途中参加 ~ 5/31)→登録締め切り2日前に存在を知る。お問合せで主催さまには大変お世話になりました!

 

…というわけで、4/末近くから5/5まではほぼこちらにかかりきりでした。想定外に忙しくなって疲労困憊でありましたが、おかげさまで本に新しいご縁をいただき、やっぱり参加できてよかったな、と思います。(後者二つは現在開催中です。詳細はイベント参加予定エアブー特設ページをご覧ください)

 

さて、そんなわけでGWは終わってしまったのですが、その直前までわりとバタバタしていたため(4/16が確定申告のいちおうの締め切り、そのあと少し仕事が入ってました)、「休みに入ったら読もう」とGW前に入手していた本に今日ようやく手を付けました☆

それがこちらの『ノヴァセン: 〈超知能〉が地球を更新する』。1980年代頃に一世を風靡した「ガイア」理論の提唱者ジェームズ・ラヴロックの著書、しかも「〈超知能〉が地球を更新する」というSFっぽい刺激的なサブタイトルで矢も楯もたまらずでした。

 

蛇足ですが「ガイア」理論というのは、おおざっぱに言うと地球全体を(人類とか動物とか自然環境とか全部含めて)一つの生命体とみなす、という概念。まだ目新しくてブーム扱いだった当時(今、そのまんま『ガイア』っていうタイトルの洋楽をデーモン小暮閣下のラジオで聞いた記憶がよみがえりました!(笑)、工作舎さんや青土社さんのニューサイエンス系の本が好きだったので、その流れの中で知りました。(でもビンボな学生だったので、そのへんの本はすべて図書館で借り読みでした。ガイアの本で読んだのはたしか『地球生命圏』とかいう本だったと思いますが、ろくに覚えてないのでちょっと読み返してみたくなりました……)

 

【2020/5/9追記】試しにアマゾンで『ガイア』を検索してみたら、今も売られてるのを発見したのでリンクしときます。

ご興味がおありの方は視聴もできるようなのでどぞです❤ ガイア バレンシア 

放送後に問い合わせが殺到して、閣下が「バレンシア・ガイアじゃなくて名前がバレンシア。男!」とか説明してたのを覚えてます。声が高くて性別不明だったんですよ。(笑)93-4年頃リリースされたようなので、思ったより最近(?)だったみたいです。

 

…とにかくそんなわけでラヴロックの名前自体が懐かしく、しかも「今100歳!? で、新刊!?」というご祝儀感覚も手伝って読みたくなったのでした。

 

大きなオビを取ると装丁が横向き。文字の小ささがかっこいい。
大きなオビを取ると装丁が横向き。文字の小ささがかっこいい。
カバーを取ると本体の装丁もシンプルでかっこいい❤
カバーを取ると本体の装丁もシンプルでかっこいい❤
外して初めてわかったオビのウラもかっこいい!
外して初めてわかったオビのウラもかっこいい!

 

今半分くらい読んだところで、まだこれまでの地球の「復習」みたいなところなんですけど、「そうそれ!」と思うところがけっこうあります。たとえば「ことばのもつ論理的問題は、それが段階を踏んで線型的に生成されることだ」(p.33)なんてところ。頭の中には(時には矛盾も含めて)かなり立体的な思考世界が出来上がるのに、言葉に翻訳するために一つのラインにそぎ落としたとたん、別物になってしまうことってかなりありますよね。少なくとも自分はよく感じます。(テッド・チャン氏の『あなたの人生の物語』に出てくるヘプタポッド文字みたいなのがあるとしたら別ですけれど☆)

 

 

たぶんこの本の刺激的な部分はこれからだと思います。コロナ禍にある今、「人類」目線の本を読むにはうってつけではないでしょうか。…人類目線といえばちょうど昨日、近所の昔馴染みの書店さんが閉店してしまったのですが、最後に買ったのがこんな本でした。

 

閉店する本屋さんの最後の名残に購入した二冊。一輪挿しは同日に購入したラベンダーの折れてた茎。
閉店する本屋さんの最後の名残に購入した二冊。一輪挿しは同日に購入したラベンダーの折れてた茎。

 

ユヴァル・ノア・ハラリの『21 Lessons』とレイ・カーツワイルやフリーマン・ダイソンらのインタビュー集『人類の未来』――正直いつもの自分なら斜に構えて買わなそうな(笑)ヒット本の範疇なのですが、なんとなく素直な気持ちになって購入しました。(ハラリさんは先日テレビでインタビューを見て以来、ちょっと心理的距離が縮まったのもあるかもです)

 

「閉店の思い出になんでもいいから」と買ったのが、奇しくも人類目線で「これから」を考える本ばかりになったのは、やはり今そんな気分だからかもしれません。「そんな時代だった」ことも含めて、いつか振り返る日がくるかも……?

 

…この本屋さんはほんとに昔からあるお店で、コロナ以前から大変そうではあったので、今の状況がなくとも同じことになってたのかもしれません。でも毎日毎日新しいことが起こって、馴染んだ環境が変わってきています。戸惑いと不安と、「変わり目にいる」「SFを生きてる」という妙な興奮とを同時に感じる今日この頃です。

 

そうそう、コロナ問題がはっきり見えてきた頃、将来的に「元の世界には戻らない」「後戻りしない変化」というものが示唆され始めて、それがさっき触れたテッド・チャンさんの言う「SF」の定義と一緒なので、思い出していたんです。それでふとご本人は影響を受けていないか心配になって、ググってみたらコロナ問題を絡めたインタビュー記事を見つけました。その中でこんな印象的な言葉がありました。(雑な拙訳ですがご了承ください。あとでチャンさん備忘録の方にきちんと記録します)

 

「フランス革命で封建制度が崩壊したとき、貴族は世界の終わりだと思ったかもしれない。だけど世界は終わらなかった。世界は変わったんだ」

 

それと似たことが起こっているのだとしたら。そんな時代に居合わせていると思うと、ある種貴重な体験でもあると思うのです。この過渡期にいることが。