BOOK WALKER平行配信準備中
というわけで、kindle以外のプラットフォームでの本の配信を、平行して始めてみることにしました。
じつは以前から考えていたのですが、検討していたうちの一つBOOK WALKERが、先日J.GARDEN会場で配信登録キャンペーンをやっていたので、後戻りできないように(笑)閉会間際に申し込んできました。(実質登録代行サービスへの誘導が主眼らしいのですが……申し訳ない、うちはDIYです(^^;))
現在kindleで配信中の本は、すべてKDPセレクトというのに登録しています。kindle独占配信にする代わりに、Kindle UnlimitedやKindleオーナーライブラリーの対象にしてもらうシステムです。他で同時配信するためには、規定でこの登録を外さなくてはなりません。昨日その作業をしたのですが、三ヶ月ごとの自動更新を「しない」という設定しかできないため、今期(発行時にスタートしているので本ごとに違うのですが)が終了するのを待って、それそれ違うタイミングで対象からはずれていくことになります。ですので、既刊のBOOK WALKERでの配信は期限のきたものから少しずつ追加していくことになります。
統合版と分冊版があるものは、問い合わせたところやはり両方外さなければならないそうで、ちと時間がかかりそうです。(とりあえずこれから一ヶ月くらいの間に終了になる分は、ホーム画面でお知らせしています。Unlimitedで登録済み、kindleオーナーライブラリーでレンタル済みの本は、終了後もお読みいただけますのでご安心ください。サービスのご利用をご検討中の方は、終了前にお願いいたします。J庭後急に固まったスケジュールなので、慌ただしくてすみません。本当は『ネガティヴ…』統合版は一番最後にしたかったんですけど……(^^;))
…そんなわけで、既刊のKDPセレクト有効期限が切れるまでの間に、BOOK WALKER配信用に新刊を出そうと思っています。これはもちろんkindleでも出すので、うまくいけば初めて二つのプラットフォームで同時配信になります。その次に、このサイトで公開している『交霊航路』に少し手を加え、配信しようと思っています。元々は今いじっているイアンシリーズの新作が詰め込みすぎて収拾がつかないため、頭を冷やすためにいったん「ただの作業」を入れよう、と思ったのがきっかけなのですが、久しぶりに今の電子書籍・個人出版周辺の状況を見て回ったら視野が広がり、やりたかったことのいくつかが実現できる(あるいはできそうな)こともわかって、やる気が出てきました。
Kindle以外で配信するようになると、ここのサイト名も変えなきゃいけないなーとか(笑)あるんですが、これはじつは当初から想定していたことでした。最終的には紙も出したいので、SUSSANRAP e-Books → SUSSANRAP Booksとか出世魚(?)的に変えていこうかなーと……。(あるいは「SUSSANRAP」のみのタイトルを同人母艦サイトからこちらに移すか……悩み中です)
もう一つ検討しているプラットフォームは当然(?)koboなのですが。それぞれ個性がありますね。BWとkoboは、無料本が置けるところに少しメリットを感じます。kindleでは独占配信にすれば数日間の無料キャンペーンができますが、恒常的なお試し無料本は個人出版ではできません。(普通の出版社のお試し無料本はよく見かけるので、たぶんそちらではできるんじゃないでしょうか)無名作家の作品はとにかく直接中身を見ていただくしかないので、恒常的な無料本オプションは少し魅力を感じます。kindleも無料サンプルは落とせるんですが、冒頭10%の自動生成なので、短いものだと本文があまりなかったりしますよね。そのへん、お試し用に編集できるのは利点だと思います。
それと、同人誌・個人出版の位置づけもちょっと違います。kindleとkoboは普通の市販本と混ざっていますが、BWは同人誌だけのエリアがあり、「同人誌を買う」と意識した方がご覧になることが予想されます。キーワードに引っかかれば市販本と個人本はまぜこぜで出てくるらしいのですが、このへんのちょっとした棲み分けから、(同人誌的な個人出版本については)競合相手としてむしろ同人誌専門のダウンロード販売サイトが意識されている印象を受けました。なので、BWは少し「同人誌寄り」のアプローチの本(たとえば「フリートーク」とかがたくさん入ってるような)も置きやすいかもしれない――売れるかどうかは別にして――と思いました。
ユーザーさんの層や絶対数の問題はもちろんあるので、とにかくやってみなければ様子がわかりませんが、とりあえずは同時並行配信をやってみようと思います。kindleのUnlimited対応はいつでもまた再開できるので、時々他での配信を一時停止してキャンペーン的に行うのもありかな、とも思っています。研究してみます。
プリント本(Beta)?
で、紙ですが。新刊の準備やらKDPセレクトの規定やらでヘルプを参照していたら、「プリント本」という見慣れない項目が、「(Beta)」とついてますが記載されていたんです! こっ、これは! どうやら、これまで日本では個人出版に適用してくれなかったオンデマンド本サービスの運用を始めてくれるのでは!? と期待しています。
米国Amazonなどでは、以前からCreate Spaceというオンデマンドサービスとの提携があって、kindle本をオンデマンドで紙書籍にすることができていました。ご注文があったときに一冊ずつ作られるので、出版者側としては在庫を抱える必要がありませんし、何より初期費用がいりません。わたしらのよーな零細インディーズ出版には救いの神であります。
じつは同人誌イベントで、時々「電子版を読める環境がないので、紙版がほしいんですけど……」とありがたいお言葉をいただくことがあります。自分もできれば全部のkindle本についてオフセットで刷って、以前密林社さん経由でAmazonに置いていただいていた『追憶のシャーロック・ホームズ』みたいにしたい、とつねづね思っていたんです。(現在同人イベントに持参している本はすべて自家製本なので、コピー同人誌に慣れていない方の目に触れるAmazonには……さすがに出せない!(^^;))
でも紙版で揃える予算がないので、オンデマンド出版サービスをいろいろ調べ回っていたところでした。その中ではBOOTHのオンデマンドも検討したんですけど、紐づけされる電子版にコピー防止などの措置がされないため、ただ「ファイルを配るだけ」なんですよね。なので物販以外は無料本程度しか使えないかも……と今のところ思っています。(その分BOOTHは「ほぼ同人誌イベント慣れしている方々がご覧になるはず」という安心感があるので、多少二次っぽい本なども通販に出しています)
他にもオンデマンド出版のプラットフォームはいくつか見たのですが、やはり露出力(?)はkindle本が一番なので、そことつなげないとあまり意味がありません。Amazonと他のオンデマンドサービスを自分で紐づける手段はないし、自分の使える限られた時間と乏しい発信力では自前のお店でやるのは現実的でないので、「うあー、Create Spaceが日本の個人に対応してくれればー!」と頭をかきむしって(笑)おりました。なので「プリント本」はまさに夢の実現(かも)です。まだ待たされるかもしれませんが、期待して待ちます。印刷費があまり高くないといいんですが。
…というわけで、そちらの正式なアナウンスを待ちつつ、新刊電子書籍の作業を進めます。あ、肝心の短編集の中身は既刊同人誌の改稿なのですが、改稿しながら泣いてしまったりしています。(おめでたい奴です(^^;))
今月中には配信開始できると思いますので、準備ができましたらお知らせさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
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