無料で古本アタリ日❤(ハモンド・イネス『銀塊の海』ほか)

先日、自宅と図書館のリサイクルコーナーで古本の掘り出し物をゲットしました! 自宅なのに「掘り出し物」なのは、文字通り『掘り出した」から。まずはそのいきさつから……最初は災難でこざいました。(^^;)

 

開かずの本棚から

 

じつはとある漫画を読み返したくなって、木製のスライド本棚の最前列(3列式の前列)を動かしたところ、棚がズレてしまったんです。無理に動かすとザリザリ通り道が削れて……結局完全に動かなくなってしまいました(涙)。で、一念発起して大掃除・復旧させたところ、長いこと「開かずの間」だったエリアからいろいろ発掘したわけです。今古書で見かけたらうっかり買いそうな本ばかりだったので、数千円分得したようなものです! 全部自分好みだし!(自分で買ったんだから当たり前!)

 

写真は発掘品からいくつか。てっきり処分してしまったかと思っていたものも見つかりました~☆

 

なぜ「開かずの間」になっていたかと言うと……部屋が狭いので本棚の前にもキャスターつきの引出なんか置いておりまして、さらにその上にいろいろ荷物が重なってるんですね。なので、棚の下半分のもの、特にスライド式の最前列のものは、その前の家具を動かさないと見ることもできない状態が10年以上続いてました。それを今回動かしたわけでした。いやしかし、見られないんじゃ持ってないのと変わらないですね。つくづく。うちにあっても出せなくて図書館で借りる資料が時々あるので、なんとかしないと!(^^;)

 

↑反省はともかく、発掘作業のきっかけになったのがこの江戸むらさき特急。(お、kindle版出てるんですね!)時代劇ネタの(と言っていいのか?(笑))ナンセンスギャグ4コマ漫画です。先日ほりのぶゆきさんの新刊情報をツイッターで拾って、懐かしくなっちゃいまして……。これ自体は奥の列の上段にあったので見えていたんですが、取り出すために最前列を動かして大惨事となったのでした。でも結果的によかったです。(笑)


見つかって一番うれしかったのがこれ、イギリスの冒険小説家ハモンド・イネス『銀塊の海』。日本での刊行は70年代あたりなので、表紙の時代感もたまりません。大昔に父の棚から奪った記憶があった本で、思い出して探したものの見つからず、処分してしまったものと諦めていました……こんなところにあったとわ。よかった、買いなおす前に見つかって……(真面目に買おうと思ってました!(笑))。

 

ハモンド・イネスについては、小説の参考にと読んだ『北海の星』の感想を以前アップしています。あ、その時にも『銀塊の海』にちらっと触れてますね(笑)。(「意外やテーマは自分探し?/70年代北海油田冒険小説『北海の星』」)…すでに故人ですが綿密なリサーチをする作家さんで、六カ月リサーチ、六カ月執筆、というペースだったそうです。今回見つけた『銀塊の海』はさわりを読んだところ二次大戦ものです。たしかイネス自身従軍経験があるんですよね。リアルな描写が期待できそう。

 

…じつはイネスの別の作品『海底のUボート基地』(さらっとすごいタイトル!(笑))というのをその直後に入手しまして、そちらを先に読んでおります。なので銀塊のほうはあとになりますが、読むのが楽しみです♪ Uボートのほうは他のイネスの作品とちょっと感触が違うようです。原書が刊行されたのが第二次世界大戦中とのことで、リアルタイムの心理描写なども興味深いです。こちらはまた、機会があったら改めて。

↑こちらは通販でゲットした『海底のUボート基地』。嬉しくてC-3POと一緒に記念撮影しました。うちで発掘したのよりよっぽど美本でした~。(笑)表紙イラストは『銀塊』と同じイラストレーターさんみたいですね。いいなあ、こういうイラスト❤

 

以下は懐かしいのをいくつか。


"Dale Cooper: My life, My Tapes"海外ドラマ『ツインピークス』の関連書で、『クーパーは語る』の邦題で文庫が出たものの原著。カイル・マクラクランが演じた変わり者のFBI捜査官、デイル・クーパーが自分の過去を語る……というもののようです。(読めてないのでレビューを参照させていただきました(^^;)。ダイアンて過去の女性の名前なのか……テープレコーダーに名前つけてるんだと思ってた☆(笑))

 

当時ペーパーバックなんて読みこなせるはずもなかった自分ですが、カイル・マクラクランには御多分に漏れずハマりましたので、まあ勢いで買ったんでしょうねえ……。現在マクラクランさんと、脚本・製作だったマーク・フロストさんをツイッターでフォローしているのですが、五月に続編が放映されるそうで楽しみです。この機会に懐かしさでこの本にも再挑戦できるかも。(笑)


ジョン・ハート主演映画『チャンピオンズ』の原作。ガン闘病からカムバックした騎手の実話です。映画は見られてないと思います……ジョン・ハートの写真に惹かれて買いました。先日亡くなられて大変ショックでした……ようやく立ち直ってきたところです。まだ見ていない作品がたくさんあるので、少しずつ見ていきたいです。

『チャンピオンズ』カバー見返し。そんなわけで小松政夫さんも大好きです。(似てますよね!)



好きなSF小説のベストテンに入る、シオドア・スタージョン作『人間以上』。その後出たものは表紙が違うみたいですね。この人形の顔のバージョンが懐かしい方も多いと思います。自分はけっしてSF読みではないですが、学生時代はこれとか『オッド・ジョン』とか、ミュータントもの(?)になぜか引き付けられました。若い頃には共感できる部分が多いのかも……今読むとまた別のところに目が行くかもしれません。


NHKのラジオ英会話の人気講師だった大杉正明先生の『このひと言で伝わる! 一発表現300』。アマゾンのレビューを見たら、日本留学したアメリカ人さんが普段使いの表現を逆引きできたとの話があって高評価。いやはや、やりこまなくては。きれいな状態なのであまり読んでいなかったんだと思います。(^^;)

 

大杉先生は、ちょうど番組を聞いていたころにかっこよく大変身されてました。初期は七三分けでメガネで、今思うと別人のよう。すっかりカジュアルになられてますますファンに(笑)。他にもいくつかご著書を買っていますが、先日新聞に自叙伝『あじのひものとビーフステーキ』の広告が載っていて、こちらも気になってます❤


図書館リサイクルコーナーから

家で上記の掘り出し物をした当日、近所の図書館に資料を返しに行って、リサイクルコーナーでこれまた大変な掘り出し物をゲットしました!おかげで古本のアタリ日に。(しかもすべて無料で(笑))

 

このリサイクルコーナーは、利用者が自宅のいらなくなった本を置いてって、他の人がほしいと思えばそこから勝手に持って帰ってよろしい、というコーナーでして、だいたいすごくヤケたものが多いです。でもそれだけに貴重な本も時々あって……今回拾ったのはこれ、『アメリカ外交50年』(リンク先は現在入手可能な岩波現代文庫版)。予備知識ゼロなんですが、なぜか著者ジョージ・ケナンていう名前に見覚えがあって……なんだろう、全然思い出せない……と帰ってから調べたら、最近近所の書店で見た『ジョージ・F・ケナン回顧録Ⅲ』というのが、立ち読みしたら面白そうだったんですね。それが印象に残ってたんだと思います。

 

で、これ、中身が旧字なので正直読みにくいです(笑)。新しい岩波現代文庫のほうは、元の訳者の他にもお1人加わっているようなので、旧字を新しくしただけでなく改訂されているのでは。これから読むならそちらをのほうがいいかな、とも思いますが、本についてるブーブー紙の焼け具合とか絶妙で(笑)、時代感がたまらないので手元に置いておこうと思います……。

 

ヤケが激しくて「汚く」見える古書って、内容に関係なくブックオフ系では値がつかなそうですし、実際ちゃんとした「古書店」に行かないとあまり出会えないです。なので、そういう本が時々並んでくれるリサイクルコーナーは、自分にはお花畑なことも多く、ヒジョーにありがたいのでありました……これまでもいろいろ掘り出しものをさせていただいてるのですが、今後も期待してます❤(笑)